隠遁の勧め

6年前に移住を決意して、平戸に引っ越ししてきた。

ひょんなことから、移住することになり、
これも一つの縁なのだろうと思うのだが、
意識していなかったが、いわゆる田舎暮らしをしているのである。

田舎での暮らしは都会の生活とは、いろんな面で違いがあるし、
最初の頃は、不便さばかりを感じていたが、
最近では今の暮らしに慣れて居心地の良さを感じるようになった。

そんななかで、
近頃になって気づいたことがある。
それは都会暮らしとの大きな違いである。
 
 
その違いとは、
 
「静寂さ」
 
 
 
先日、福岡に買い物に行くことがあり、
その途中、ちょっと休憩しようとスタバに入った。

福岡に居たときはスタバに行くことはしょっちゅうだったが、
あらためて気が付いたことは
 

「すごく音がうるさい」ということ
 

もちろん、たくさんのお客の話し声がする。

話声だけではなく、

忙しいカフェの厨房の物音。
通りの車、人ごみの騒音などなど。

おそらく、お客が一人も居なくても、
いろんな音がするだろう。

歩き疲れて、ほっとしようと思っての
休憩のつもりだったが
結局、うるささに参って、早々に店を出た。
 

昔はスタバは大好きだったのに、
今の自分にとっては何か違和感を感じて、とまどっていた。
たぶん僕が変わってしまったのだ。

平戸にいると
通りにいる人の話し声がはっきり聞こえるし、
車の音はそこを通った車の音だけ。

夜だけではなく、昼間でも、
音を出す人や車がいなくなったら
すぐに静かになる。

本当に静かだと
「しーん」という音がするのを知っているだろうか。

平戸では
ちょっとした物音がなくなり、静かだなと思うと
「しーん」という音がする。

この静寂さを知った今では
もう都会では住めないような気がする。

前回の記事で、ネットにあふれている情報に不必要なものが溢れていることを書いた。
不必要な情報や人の意見などのことを「雑音」ともいうが

田舎に居れば、
まず自然現象としての雑音がない。

雑音はできるだけ避けたい。
そして、本当に知りたいことだけに集中するほうがいい。

何かをじっくり考えたりするときは、誰もがそうしていると思う。
小説家などが、小説という別の世界を頭の中で想像し、言葉で紡ぐために、
雑事を忘れ、静かな場所で執筆するために旅館やホテルにこもるようにだ。

タロットにその必要性を表しているカードがある。
そのカードはこの「隠者」。

09L'HERMITE

分厚いコートを着て身をひそめるような姿は、
外の情報をシャットアウトしている様子を表していて、
右手に持ったランプで、自分の知りたいことだけに光を当てている。

若いうちは喧騒を楽しめるかもしれないし、
多くの情報に自分の知らないことが溢れていて、
それにワクワクする時期もあるだろう。

だが、ある程度成熟してきたら、
それらの情報のなかに、自分に不必要なものと必要なものがあることに気が付く。
だから隠者は若者ではない。

雑音だらけの中に居たら、
感覚はマヒして、取捨選択することができない。

一度、静寂な場所に身を置いて
自分に必要な知識や情報はなんなのかを考えるようにするのがいいと思う。

僕は、「隠遁」をお勧めする。

一時的でもいいから、社会の喧騒から離れ、世俗から離れ、
雑音のないところへ身を置いてみるといいと思う。
そうすると、今まで気づかなかった大事な何かが見えてくると思う

2016-11-16 | Posted in タロットのこと, 日々思うことComments Closed 

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