僕の酒への好奇心

投稿者: | 2015年3月18日

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大学で
4年生に進級するときに留年した
どうあがいても単位が不足するとわかったとき
父に土下座して、1年余計に学費を出してくれるように頼んだ

僕はこの一年間のモラトリアムが
その後の人生を大きく変えたと思っている

父には申し訳ないがその年の一年間は
なんとも優雅な日々を過ごしていた

その年は、わずかに落とした単位をとればいいので
ほんのいくつかの
講義に出るだけで良く
毎日好きなだけ遊んでいた

昼は、クラブの部室で
ひまな後輩を見つけては
ドライブに行ったり、麻雀をしたりして過ごし

夜は9時か10時頃までバイトしたあとは
毎日のように飲み歩いていた

4年生ともなると
遊び方は余裕しゃくしゃくで
バイトして多少お金ももっていることもあって
好奇心旺盛に色んなところへ
ひとりで飲みに行った

ホテルのバーでカクテル
おでんの屋台でコップ酒
小さなバーでバーボンをボトルキープ
 
 
部活のみんなでの行きつけだった焼鳥屋に一人で行って
いも焼酎のお湯割をしかめっ面で飲んでみたりした
 

その頃は麦焼酎しか飲めなくて
何とかして、いも焼酎を飲めるようになりたかった
当時は、いも焼酎は匂いも味も強烈さを感じた
 
 
そのほかには
時々、ブラジル人がやっているスナックに行って
おじさんやブラジル人の船員たちに混じって
ブラジルのピンガというラムのような酒を飲んで
カラオケを歌って楽しんだ
 
 
お金がない時は
同級生の四畳半の下宿で
その頃出たばかりの「くろうま」を水割りで一晩中飲み交わした
 
 
僕の酒への好奇心は
およそこのころに培われたように思う

小説でも映画でも
テレビドラマでも
酒場が描かれる

僕はそんなお酒を飲む数々のシーンにあこがれ
気取って飲んでいた
そのことは僕の経験を豊かなものにしてくれた

 
 
酒場には文化があり
ロマンがある
 
世界中に何千種類ものお酒があり
旨いお酒は数知れない
 
 
大人になった今は
酔うためにお酒を飲むことはなく
味わうことが一番の目的

僕にとってのお酒は
酔うためのものではない
お酒が美味しいからお酒を飲む
 
 
旨いお酒をもっと知りたいと思う
探究心は尽きない