玉子焼きの思い出

投稿者: | 2015年7月15日

tamago-yaki

僕は玉子焼きが好きだ
居酒屋、そばや、定食屋などで
玉子焼きがあればたいてい注文する

食べるのももちろん好きだけど、
自分でもよく作る

初めて作ったのは
小学4年生のころだったと思う

そのころ料理のまねごとをするようになっていた僕は
お弁当のおかずで母が作る様子を見ているうちに、
あの巻き巻きしながらつくるのをやってみたくなっていた

とりあえず作る前に、母にレシピを聞いた
卵を2個割って、そこに大さじで1杯か2杯砂糖を入れて、塩を<ちょっと>だけ入れる
というような感じで聞いたのだと思う

ただ、まだ子どもだった僕は、
塩加減というものがよくわかっておらず
塩をちょっとだけのつもりで
小さじ1杯か2杯ぐらい入れた
(わかるとおもうがかなり多い。本当は一つまみ程度が<ちょっと>である)

それでも、器用に玉子を巻きながら
結構、形が上手く仕上がった

そして自信満々に出来上がった玉子焼きを
母に食べてもらった

自分も一緒に食べたのだが
あまりのしょっぱさに愕然とした

せっかく頑張って上手く出来たと思ったのに。。。
辛くて食べられない。。。

すっかり意気消沈していると

母がそーっと聞いてきた

「塩はどれくらい入れたの?」

「小さじ2杯ぐらい」

「ああそうね、ちょっとからいね」

すると母はおもむろにご飯をお茶漬けにして
玉子焼きを上に載せて

「ほらこうやって食べればちゃんと食べられるよ、大丈夫」

と言って食べてくれたのである

にこにこしながら
無理矢理にでも食べてくれた
母の思いやりだった

まだ10才ぐらいの頃の記憶だが
玉子焼きを作りながら
毎回のようにこのことを思い出す

今では出汁やしょう油も入れたりして

おかげで玉子焼きはすっかり得意料理になった