(前半からのつづき)
「買ってやろうか」の記憶はいくつかありますが、母の「買ってやろうか」は気まぐれでいきなりくるので、まるでサプライズでした。
これは高校生の時の話ですが、母が知り合いからの頼みでナショナル(当時)の家電の展示会に行くというので、僕もついていきました。
当時、オーディオブームで僕もレコードプレイヤーならこれとかスピーカーはこれとかカタログをたくさんもらってきては、買えるはずのない高額なモノたちに夢を広げていました。なかでもカセットデッキは当時ノイズリダクションシステムのいろんなタイプが出ていて調べるだけで楽しかったのを覚えています。
そしてその家電の展示会でもテクニクス(ナショナル(現パナソニック)のオーディオブランド)のオーディオコーナーで嬉々としてあれこれ眺めていたのは言うまでもありませんが、そのとき多分覚えているなかでも一番のサプライズが。。。
よだれを出しながらカセットデッキを眺めている僕に、
母が「買ってやろうか、それ」と言ったのでした。
カタログ探索していて、本当はAKAIかDENONのカセットデッキに注目していたのですが、
このチャンスを逃すわけにはいきませんから、即答で「うん!」と言って買ってもらいました。
そんな高額商品は後にも先にもこのときだけです。
うさぎのリベンジを果たしたのかもしれません。
母はどんなつもりだったのかなあ。喜ぶ僕をみたかったのでしょうか。
うさぎの罪滅ぼしだったのでしょうか(笑)
そういえば今までそんなふうにはあまり考えたことはありませんでした。
後半の後半にさらにつづく