僕にとって、高校時代は思い出の少ない希薄な時代だった
ずっとそう思っていた
 
 
 

高1の時は、すぐに入った硬式テニス部の人間関係が肌に合わずに
2学期になるとすぐやめてしまって帰宅部になった
高2になってからクラスの同級生が誘ってくれた軟式テニス部に入ったけど
コートの都合で月水金しか部活はなく、あんまり部活をしていた記憶はない

学校では勉強も大してせず、
日々友人と喫茶店で煙草を吸いながらなんとなく過ごし、
たまにゲームセンターで遊んだりした
土曜日は毎週と言っていいほど、夕方まで喫茶店に居た
そのころの友人は煙草を吸う仲間だった
もっぱら剣道部とバレー部の連中だった
たぶん、クラスの半数がバレー部だったからだろう
彼らの中学の地元の他校の生徒もいたこともあった
バスケット部の連中は煙草を吸うためにたむろしている喫茶店のことがばれて
みんな坊主になったりしたが、幸運なことに僕はそんなことにあわずに済んだ
 

そんな毎日の中で何をしていたかというと、ほんとに驚くほど何もしていなかった
目的もなくただただその時周囲にいる友人とだらだらと過ごしていた
 

日曜日はスーパーの海産物屋さんでいりこや昆布を売るバイトをしていた
1日働いてたったの2,500円だったが高校生にとって月に1万円は大きな金額だった
ただ何に使っていたのかよく覚えていない
たぶん喫茶店代と煙草代に消えていたのだろう
 

高3になるとそれまでの心を入れ替えるようにして受験勉強した
勉強すること自体が苦手な僕は、高2までの成績はそんなによくなく
そのままでは大学に行ける自信はなかったが
すべては高3の時の担任の先生のおかげだ
自然に勉強するようになったし、成績もかなり向上した
赤点だった物理は得意科目になった
 
 

そんなこんなの高校時代なのだが
すべて受け身の生活だった

おそらく青春と呼べるはずの時代を
なにもしないで過ごした
 
後悔しているわけではないけど
若い時の時間は貴重だったはずだと思う今日この頃である
 
 

でもちょっとだけ
このころに
ささやかながらも培ったものがあったことに気がついた
 
 
 
  

5月2日は忌野清志郎の命日だった
その日放送されたNHKの「SONGS/忌野清志郎」を見ていた
何気なく見ていたのだけど
 
 

素直に感動していた
 

そして、高校時代にRCサクセションが大好きでよく聞いていたことを思い出した
 
 
 
 
そのころは
家に帰ると、ステレオの前にいて音楽をよく聴いていたのだった
一人で家にいて音楽を聴くのが僕の大好きなことだった

ちょっと前に、フォークソングのことを記事に書いたけど
そのあともフォークの暗黒時代に聞いたRCサクセションのことを思い出していた
確かに、RCのフォーク時代の「僕の好きな先生」は好きだけど
高校時代に好きだったのは、「トランジスタ・ラジオ」だった

アルバムの「PLEASE」、「RHAPSODY」、「シングルマン」がお気に入りだった

高2の頃、宮崎にもレンタルレコード店ができたことで
レコードは買えなくても、たくさんのレコードを聴けるようになったのだ
借りてきたレコードは隣に住んでいた従弟のステレオでカセットに録音していた

そのほかにもFMラジオのエアチェックがマイブームだった
FMラジオの雑誌を買って、オンエアされる曲をチェックして
ステレオの前で曲がかかるのを待って、カセットに録音していた

実はその当時のカセットを今でも持っているけど
ざっと60~70本ぐらいあると思う
 
 

そう
このころは音楽に目覚めていた
もっぱら、J-ポップ・ロックとフュージョンそして洋楽だった

RCサクセション
高中正義
山下達郎
大瀧詠一
YMO
サディスティックミカバンド

ビリー・ジョエル
マイケル・ジャクソン
エレクトリック・ライト・オーケーストラ
ボストン
キッス
クイーン
レッド・ツェッペリン
イーグルス
アースウィンド&ファイアー
 
 

そして、これらの好きな音楽は大学時代にも続いていく
 
 

今その当時好きだった音楽を
振り返って
少しずつCDを買っている

最近はまっているのは、山下達郎だ

来月からRCサクセションになるだろうと思う
そしてそのあとは高中正義かな
夏になるころにいい感じだ
 
 

今、店では一晩中音楽を聴いている
考えてみれば幸せな時間を過ごしているのかもしれない