おもいがけずに現れたのは
とても美しいエンジェル・ラダーだった
いくら眺めていても飽きない
その光のショーは感動的だった
そのときは気づかなかったが
何かを啓示していたのかもしれなかった
そのとき
僕は海が見たかった
堤防の向こうに
きっときれいな海が広がっていると思い
少し高い堤防をよじ上った
思った通りのきれいな海が遠くまで広がっていた
そして、海のかなたに
太陽が沈もうとしていて
海面に横から光をあてて
きらきらと輝かせていた
それだけでも十分にきれいだった
満足して、妻が待っている車に戻ろうとした
すると
妻がこっちに駆け寄ってきた
妻も一緒に風景を眺めたいと思ったらしい
手を貸して、妻を堤防のうえに引き上げた
そして、二人で輝く海を眺めた
こうして二人で海を眺めるのは久しぶりだった
夕暮れにはまだ早いかなと思いつつも
このまま待っていたら、
もしかしたら夕焼けが見られるかもしれないと思って
じっと眺めていたら
少しずつ空の様子が変わってきた
空には雲が多かった
太陽は雲の向こうにいるらしい
すると、ある瞬間、光が一変した
雲の間から、太陽の光が漏れ出して
光の束が上下に輝いた
エンジェル・ラダー(天使の梯子)だ
とても美しかった
こんな美しい空は見たことがなかった
妻と二人でずっと眺めていた
ほんとにずっと眺めていた
僕が写真を撮りながら
「ブログにアップしよう」
というと、妻はこう言った
「ヤコブの梯子のことも書かなきゃね」
僕も「ヤコブの梯子」という名称は知っていたが、
詳しいことはよく知らなかった
調べてみると
創世記のなかでも重要な一説に関わることだとわかった
エンジェル・ラダーはヤコブの梯子(はしご)ともいう
それは旧約聖書の創世記28章12節に書かれた物語に由来している
ヤコブはヘブライ人(イスラエル)の族長であり、イスラエルの民すなわちユダヤ人はみなヤコブの子孫である。12人いた息子たちがイスラエル12部族の祖となる。
そのヤコブが、旅の途中にとある場所で一夜を過ごしたときに見た夢に出てきた光景が、地上から天まで届く階段を天使たちが上ったり下ったりしている様子だった。それが「ヤコブの梯子」という象徴で語られている。
その時、ヤコブは主から啓示を受ける。
それが、自分の子孫が偉大な民族になるという神の約束だった。
旧約聖書 創世記28章12節 全文
「ヤコブはベエル・シェバを立ってハランへ向かった。とある場所に来たとき、日が沈んだので、そこで一夜を過ごすことにした。ヤコブはその場所にあった石を一つ取って枕にして、その場所に横たわった。すると、彼は夢を見た。先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、しかも、神の御使いたちがそれを上ったり下ったりしていた。見よ、主が傍らに立って言われた。『わたしは、あなたの父祖アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが今横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫は大地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう。地上の氏族はすべて、あなたとあなたの子孫によって祝福に入る。見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。』ヤコブは眠りから覚めて言った。『まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。』そして、恐れおののいて言った。『ここは、なんと畏れ多い場所だろう。これはまさしく神の家である。そうだ、ここは天の門だ。』ヤコブは次の朝早く起きて、枕にしていた石を取り、それを記念碑として立て、先端に油を注いで、その場所をベテル(神の家)と名付けた。ちなみに、その町の名はかつてルズと呼ばれていた。ヤコブはまた、誓願を立てて言った。『神がわたしと共におられ、わたしが歩むこの旅路を守り、食べ物、着る物を与え、無事に父の家に帰らせてくださり、主がわたしの神となられるなら、わたしが記念碑として立てたこの石を神の家とし、すべて、あなたがわたしに与えられるものの十分の一をささげます。』(創世記28:10-22)」
天使の梯子を僕が見たのは
何か意味があるのだろうかと
ふと考えてみた
もしかしたら、この時を境に何かが変わっているいるのかもしれない
この時に見た天使の梯子の光景を
目に焼き付けて
自分の胸の中に湧きあがってくるいろいろな
感覚と感情を気をつけて観察してみようと思う