正義というカードは、天秤を持っている姿が描かれていて
物事のバランスを図ることを象徴しています。
バランスを図ることで、公平さや公正さを図ることを意味しています。
人はいろんなものを自分の秤(はかり)にかけながら物事を見ているものです。
そして、いろんな意味で「バランス」を気にしているのです。
他の人同士のバランスが気になることもあれば、
自分と他人とを比べたときのバランスが気になることもあります。
どちらかというとそういう時のほうが多いかもしれません。
自分と他人とを比べて感じるバランスには、
能力の違いやそれに対する評価の違いのほかに、
価値観の違いや知識・経験の違いなどがあります。
バランスの違いで気持ちが不安定になるのは、
劣等感を感じているときのことを思いがちですが、
自分のほうが偉いとか自分のほうが何でも知っているとか、
優越感を得ようとするときに
バランスがとれていないために心が不安定になっているものです。
それは、相手の重りを軽く、自分の重りを重く思っているのです。
そんなときは、態度が大きくなったり、
居丈高だったり、高慢だったり、傲慢だったりして
人に嫌われそうなことをしているという不安定な状態です。
相手をうらやんだりすることもして
自分と相手の違いを気にすることがよくあるものです。
それは相手のほうが価値が高く、自分は価値が低いと考えて
心が不安定になる状態です。
そんなときの重りは、相手が重く、自分が軽いと思っているのです。
そんなときは、卑屈になったり、自信が無くなったり、悔しかったりして、
物事が自分の思い通りに行かないという不安定な状態です。
では、それらに対してどうしたらいいのでしょう。
やらなければいけないことは、
もし、相手の重りを軽く、自分の重りを重く考えているなら、自分の重りを減らすことです。
それは、自分の尊大な態度に気づき、そういう考えをなくして、
相手と同じ立場でモノを考えるようにすることです。
なかなかできることではありませんが、
それが謙虚さであり寛容さというものなのです。
ここに至る成長は人間的にかなり大きく成長できた時です。
謙虚さと寛容さを備えた人は、器が大きい人として
他の人の目に映ることでしょう。
もし、相手の重りが重く、自分の重りを軽く考えているなら
自分の重りを増やす必要があるわけですが
同じ土俵で勝負できなくて悩んでいる場合は重りを増やすことは「努力」しかありません。
でもそれはすぐにできることではないし、達成にも時間がかかるかもしれません。
そんな時にちょっと考えてみます。
必ずしも同じ土俵上での評価でなくても、自分にも得意なことや自信があることがあるはずです。
それを重りとして載せればいいのです。
そうすればきっとバランスがとれる。
真っ向勝負のコンプレックスの解消は難しいもので、時間がかかることがあります。
でも、視野を大きく持てば解決の糸口が見つかるはずだと思います。
自分の重りが軽いときはとても悔しく、劣等感を感じます。
しかし、それは物事を一面でしかとらえようとしないからです。
つい意地になったり、意固地になったり、ほかが見えなくなっていたりしています。
でもこの世界には多様性がある。
あなたの個性はあなただけのものだし、
逆に他の誰ともちがうものをもっているのです。
ひとつのことにとらわれなくていい。
人は自由です。
タロットはそれを教えてくれます。
自分の重りを降ろすことに人はなかなか気が付かないものです。
人は皆、たいていの場合、他人より自分が優越であると思いたいからです
でも実はそうしたときには愛が足りないのです。
愛がある思いやりがある人は自分の重りを降ろすだけでなく、
相手のほうへ足してやることもできます。
この正義のバランスを乗り越え、
自分のものにできたとき
地上にとらわれている状態から
一段階上の状態に進むことになります。